「ネタ書いてない芸人」の話に始まった前編に続き、後編はコンビ結成当時の様子から、結成20周年の節目について話が弾みます。(撮影=木村直軌 構成=南山武志)
「咬まないヘビ」に怯えながら
清水 2人の冠番組はまだないんだっけ?
山根 出身地の広島では、「アンガールズの」って冠がついたラジオ番組をやってます。ずーっと広島カープの話をしてるだけですけどね。
田中 僕らにとっては楽しい仕事です。
清水 逆に、できればやりたくない仕事ってある?
田中 個人的にやりづらいのは、クイズ番組ですね。最近、国立大学出身というだけで呼ばれることがあるんですけど、クイズは答えてナンボなわけですよ。
清水 まわりと絡んでればいいというわけにはいかない。
田中 なのに1問も答えられないことがある。そうすると、いったい俺は何のために呼ばれたんだろう、という気持ちになる。ギャラ泥棒みたいで、帰りにスタッフさんと目を合わせられないですもん。
山根 でも、しょうがないですよね。頑張ったけどできなかったんだから。
清水 また、「しょうがない」って言ったよ。(笑)
田中 そうなんだけど、相手に「申し訳ない」と思えよ。
山根 申し訳ないとは思うよ。でも、しょうがないとも思う。
清水 性格が正反対のコンビだね。でも、こういう感じだと先輩芸人から意地悪されることもなさそう。
山根 それはなかったですね。
田中 ただ、「こわい人」は今でもいますけど。元ヤンみたいな雰囲気の人の前に出ると、どこかで萎縮しちゃう。やっぱり俺らは、生粋のカツアゲされてきた側の人間だから。今でもメンタルの芯の部分に、そういう人に会うと「ビクッ」となる自分がいるんですよ。
山根 スクールカーストの下位にいた人間は、大人になっても、そのカーストから抜けきれない。この上下関係というか学生時代の立ち位置みたいなことから、一生抜けられないのかなあ、やだなあ、と思います。
田中 しゃべったら、みんないい人なんですけどね。もう芸能人になってるから。