築いた「棚貸しシステム」の今後

由井 このお店の運営を通じて築いた棚貸しシステム自体は、手前味噌ながら、本当に素晴らしいと感じています。たとえばスリップ。スリップは、売れた本から書店が抜き取り、どれくらい売れたかを把握するために保管しておく、というものですが、紙である以上、リアルタイム管理との相性がよくない。保管や報告の過程が煩雑で手間がかかるのも事実。そこに自分たちが作った販売管理システムを導入してもらえば、それだけでグッと省力化できるはず。

カフェスペースも備えた3階にはアンティーク雑貨やクラフトビールなどがズラリ(写真:本社写真部)

清水 いいですね。自分も技術者として協力したいくらい。

編集 ちなみに、清水さんが運営を考えている「本も売るバー」などでもシステムは導入できるんですよね?

由井 もちろんです。システムそのものは、新刊書店や独立系書店、中古書店に喫茶店や洋服店での本の販売など、あらゆる方面へ活用できるものと考えています。今度、谷中に知人がオープンする書店をシステム展開の第一号店にしたいと考えていて。そこをテストピースにしてうまくいけば拡大していきたい。これから新しく書店を開きたい、といった人の助力になる仕組みとも思いますし、とにかく自分の立場から本屋さんを応援したい。そう考えています。

清水 たしかに書店のようなお店のあり方だと、フランチャイズ的にシステムを広げるのも面白いのかも。