本屋さんの未来

由井 自分で言うのも何ですが、本屋さんのこれからについて、ここまで深く考えている人は、業界の中でもそこまでいないように感じています。なので、同じような視点で未来を見据えている赤坂の「双子のライオン堂」の竹田信弥さんや、祖師ヶ谷大蔵で「BOOKSHOP TRAVELLER」を経営しながらブックイベントなどを手掛けている和氣正幸さんと話すと、時間を忘れてしまう。先駆者である彼らは、やはりすごい。

清水さん「同じ本屋であっても、まったく違うアプローチで取り組んでいるのが、非常に面白い」(写真:本社写真部)

清水 この連載の第一回に登場してもらった竹田さんはある意味、向いている方向が由井さんと真逆ですよね。本屋を続ける、本屋を街に残すことが目的になっていて、そのために他の仕事で稼いで経営をまわす、といった方法を取り入れている。でも由井さんは「書店経営」というビジネスを成立させながら、本そのものにも新しい価値を与えようとしている。同じことをしているようでも、違うアプローチで取り組んでいるのが、非常に面白い。

編集 しかも、この2年でこれだけの可能性を見出せたんですから、これからまたいろいろな芽が出てきそうですね。加えて、街自体の盛り上がりにも一役買いそう。それを強く感じました。

由井 拡大していくうえで、人材も積極的に募集しています。特に映像のディレクションや編集能力を持つ方、地道な交渉ができる営業経験者、純粋にカフェ経営をやりたい、といった方はぜひお声掛けください。

清水 これからの展開に期待しています。本日はありがとうございました!


●その1:とにかくAmazon・メルカリから「距離」を置く。棚貸し書店「PASSAGE by ALL REVIEWS」が切り拓く新しい戦い方とは?

●その2:ネットに情報が溢れる中、どうやって「この本屋で買いたい」と思わせる?「PASSAGE by ALL REVIEWS」が切り拓く書店の戦い方

●その3:編集者と出版社の意味が問われる時代にどう「本」を売る?「PASSAGE by ALL REVIEWS」が切り拓く書店の戦い方

●第一回「このままだと本屋さんが無くなりそうだけど、できることは本当にもう無いの?」【赤坂・双子のライオン堂】編