市はイントラストに、初回保証料となる1ヵ月分の養育費相当額(上限5万円)を支払う。未払いが発生した場合、同社が月額養育費を立て替える。例えば、毎月4万円の場合、12ヵ月分の48万円を上限に立て替えてくれる。同時に、支払わない相手への督促や将来養育費確保(給与差し押さえ)などのための法的関連費も同社が担う仕組みだ。2年目以降の更新保証料は半額となり、これについては各自の自己負担となる。
同市のひとり親家庭は約2500世帯。対象となるのは、確定判決や調停調書で、すでに養育費の強制執行ができる債務名義がある6名と、これから調停など裁判所の手続きで養育費を決める12名。債務名義がある枠の6名の募集に7名が応募して、抽選で6名が決まった。これから取り決める枠は、3名の応募があり、引き続き募集している(2019年6月6日現在)。市民からはおおむね好評を得ている。
明石市に続き、大阪市でも、ひとり親の家庭と養育費保証会社が契約を結んだ場合、本人負担費用(保証料)を大阪市が補助する保証促進補助金制度がスタートした。
民事執行法が改正に
イントラストが18年から展開している養育費保証のプランは2通りある。養育費支払人との間に、保証委託契約がある場合と、ない場合だ。
後者は(下図参照)、イントラストが支払人に、「受取人と保証契約を結び、支払いが滞った場合は、イントラストが立て替えた金額に対する求償債権の回収行為を行う」旨を書面で通知する。実際滞納した場合には、直接支払人に連絡をして回収を行う。
それぞれプランによって初回保証料や更新料などが違う。妻側が安心を得るために入るケースや、養育費が心配で離婚を渋る妻を安心させるために夫が契約することもあるそうだ。
「離婚時に相手が協力関係にあっても、長い年月の間に経済事情が変わる、再婚する、などが想定されるので、公正証書などで養育費に関する合意契約を最初に結んだほうがいいと思います。合意契約があれば、すでに滞納が発生していても、審査はありますが入れるプランもご用意していますので、お問合せいただきたいです」(イントラスト広報)