経済産業省が2022年3月に発表したペット産業の動向によると、ホームセンターでのペット・ペット用品の販売額は近年増加傾向にあり、2020年以降、8期連続の増加となっているとのこと。需要が高まる中、いざ飼い始めてみると、思いもよらない生態がわかることも。上野動物園園長を務め、現在は日本鳥類保護連盟会長の小宮輝之さんが、一般家庭で動物を飼う際のポイントを解説。今回は、一度は憧れたことのある動物園の人気もの、キリン・ゾウ・ライオンについて紹介します。
キリン日本で飼える最高のペット
キリンの身長は4.5~6メートル。地上最高の生きものです。
一緒に暮らすとなれば、天井が高い家が必要。今住んでいる家が1階建てなら、屋根をぶち抜き、2階建てなら、1階の天井をぶち抜いて、キリンが首を伸ばして過ごせる部屋を用意しましょう。
キリンの好物のアカシアやサクラの木を植えて食べさせてあげたいところですが、1日7キロも食べるので、すぐに食べつくしてしまいます。生の草木はときどきごほうびとして与え、ふだんは草食動物用の干し草で我慢してもらいましょう。
エサ箱は、キリンの首に近いところへ置きます。床にエサ箱を置かれるのはキリンにとって、とてもしんどいこと。食べるたびに4メートルの位置から床まで、約10キロもある頭を急降下させなくてはいけないのですから。
試しに自分がよつんばいになって、床に置いたごはんを食べてみてください。頭を下げていると、だんだん頭に血がのぼって、クラクラしてくるわ、首が痛くなるわでしんどいんです。