修繕積立金と管理費の値上げ
女性が近隣の**マンションの例を示したのは、このまま値上げしなければ同じ轍を踏むことになる、と警告したかったようです。住民としては、将来、売る時の資産価値が下がるのは困りものですが、一方で、いま毎月の維持費(管理費や修繕積立金)が値上がりすると生活が苦しくなります。修繕積立金や管理費が足りずに、値上げを試みる管理組合は全国至るところにあります。
そして、管理組合でもめて、なかなか値上げができないところもまた多いのです。男性は最後まで納得しませんでした。値上がりすると家計が厳しい、とは、プライドもあって、口が裂けても言いたくないのでしょう。でも、年金暮らしの身としては実際のところ、ない袖は振れないということなのだろうと、察せられました。
以前にも書きましたが、建物は老朽化するほど維持管理にお金がかかります。SRC(鉄筋鉄骨コンクリート)でも、エレベーターや給排水管を取り替えるなどの大規模な刷新工事が必要です。でないと駆体はもっても設備が古くなりすぎ、居住性能を満たさなくなってしまいます。
ですが、昔に建てられたマンションほど修繕積立金は少なく、長期修繕計画もなく、計画的に修繕資金を積み立てられていません。住民の中に、一度買ったら維持費はかからないと思い込んでいる人がいることもあります。マンションは区分所有で、所有者全員で協力して維持管理しなくてはいけない、という原則が分かっていない人も、ことに古いマンションでは多いものです。しかも、建物の老朽化とともに、住民も高齢化します。