初潮が来ても知らんぷり。胸が膨らんできても、下着も買ってもらえなかった。高校進学時、サナエさんは公立一校のみしか受験を許されなかったが、弟は私立を受け放題。

何でも自分中心でなければ気が済まない弟の性格は、両親が育んできたと言っても過言ではない。

母の最期は、ある意味自業自得なのだろう。ただ、自分の子どもが巻き込まれるとあっては、黙ってはいられない。

「弟は、私たちへの相続が少なくなるよう画策しているようです。親の財産をめぐって、甥や姪と張り合う叔父というのも情けない。父が亡くなった時にもうひと悶着ありそうです。一番怖いのが、弟夫婦が、最期は私の子どもたちに世話になろうとしていること。それは絶対に避けたいと思っています」

相続問題に決着がついたら、どうにか弟夫婦と縁が切れないかと考えているサナエさんだ。