弟は、親が孫にお金を渡した分、自分は損していると言うんです(写真はイメージ/写真提供:photo AC)
小学校に上がったばかりの頃、弟が生まれたことで、家族との関係が一変したと話すサナエさん(仮名)。両親、祖父母、曽祖父母に溺愛されて育った弟は、恐ろしいほどに自分中心な守銭奴へと成長した。子どものいない弟夫婦は、両親がサナエさんの子どもを可愛がることさえ、気に入らないようで――。

子どもたちと張り合う弟

サナエさん(60歳)の場合は、両親がわが子を可愛がることで、弟(53歳)から恨まれている。

いつでも弟優先の家族に息苦しさを感じてきたサナエさん。結婚後東京の家を出て、地方に移住した。サナエさんには2人の子どもがいるが、弟夫婦には子どもはいない。どうやら作らないと決めて結婚したらしい。

「私の子どもたちには、普通の祖父母並みにお誕生祝や入学祝、お年玉などをくれていましたけど、過分だったわけではありません。なのに弟は、親が孫にお金を渡した分、自分は損していると言うんです」

弟とは大人になってからは交流がほとんどなかった。ところが、母の骨折がきっかけで、弟夫婦が両親と同居。そのときから、本性が見えてきた。

「母が認知症になったら、まず何をやったと思います? 実家で家捜しです。家中の財産関係の書類をかき集め、すべて自分が管理すると言い出したんです。弟夫婦の生活費はすべて両親の財布から出し、生前贈与まで進めようとしていました」

あまりの状況にサナエさんが抗議したところ、「両親と同居する『対価』だろう!」と怒鳴られたという。