明治大学の入学式の翌日、「あ、嫁が来た!」と思った
宇崎 僕らが結婚したのは1971年。気づけばもう、50年以上も一緒にいるんだね。
阿木 本当に。明治大学の入学式の翌日、校内に足を踏み入れてすぐに声を掛けられた。それが最初でした。
宇崎 ナンパじゃないよ(笑)クラブの先輩に「新入部員を勧誘して来い」と言われて、「軽音楽部に入りませんか?」と誰かれなく声を掛けていたんだ。あの頃の明治大学は女子が少なくてね。最初にやってきたあなたを見て、「あ、嫁が来た!」と思った。
阿木 当時、明治の学生はバンカラで、一歩構内に入ったら黒一色。みんな学生服を着て、なかには学帽もいたぐらいだもの。そんなところにちょっと目立つ恰好をしたあなたが話しかけてきた。それでつい、足を止めた感じかな。
宇崎 僕はアイビールックだったから、軽い印象だったんじゃない?
阿木 そうね。応援団みたいな雰囲気の人たちの中にあか抜けた感じの男の子の集団がいて、それが軽音楽のクラブだった。音楽の経験がない私が「楽器はやったことありません」と言ったら、あなたは「僕が教えます」。「歌も歌えません」と言ったら「大丈夫ですよ」って。我ながら、よくぞ何も出来ないのに軽音学部に入ったものだと思うわ。(笑)