《3日に1通》と決めて彼にメールを送っている(写真はイメージ/写真提供:photo AC)
年を重ねるほど、恋愛とは縁遠くなりがちだ。しかし、頼れる伴走者を見つけたり、淡い恋心を抱いたり――人生の折り返し地点を過ぎてから、幸せを見つけた人がいる

孤独な日々にワクワクをくれたのは

パート勤めのミハルさん(72歳)は最愛の夫と死別し、その後、両親が次々と他界。子どももおらず、孤独感に苛まれていた。そんな彼女のもとへ、地元小学校が主催する「昔の遊び教室」の講師の依頼が舞い込んだ。

それが約1年前。依頼主は、顔馴染みの自治会長だ。家にこもりがちになっていたミハルさんを心配してのことだろう。何度断っても諦めてくれず、ミハルさんは渋々引き受けたという。

当日は、数人の講師が昔の遊びをそれぞれ担当。ミハルさんが校庭の一角で数人の子どもにお手玉を教えていると、突然大きな歓声が上がった。声のほうに目をやると、ピンク色のシャツにジーンズ姿の男性が、竹とんぼを飛ばしてはたくさんの子どもたちと無邪気に戯れている。それが恋のお相手、サトシさん(74歳)との出会いだった。

「子どもと遊ぶ姿が、なんだか可愛くて。若いときのような直球の感情とは少し異なるけれど、一種の一目惚れをしたのかも(笑)」

サトシさんは、その後の慰労会でもひときわ明るく、誰とでもフレンドリーに接して笑いを誘った。内気なミハルさんは挨拶を交わすのがやっとだったが、数週間後、スーパーの魚売り場でばったり彼と再会する。