経済ジャーナリストの荻原博子さんが、お金に関するお得な情報をわかりやすく解説する新連載「トクする!荻原博子のマネーNEWS」。今回は「振込手数料が値上げへ銀行の真の狙いとは?」です(イラスト:さかがわ成美)

振込手数料が値上げへ 銀行の真の狙いとは?

三菱UFJ銀行は、10月2日から、振込手数料を値上げします。振込額に関係なく、店舗窓口で他行あてに振り込むと990円、ATMでの現金振込は他行あてが880円、同行あてが550円。

なんと、最大で500円を超える値上げです。おそらく、他の銀行も、早々に追随することでしょう。

なぜ、こんなに窓口での振込手数料を値上げするのか。それは銀行側が、もう皆さんに窓口に来てほしくないからです。

銀行の店舗は、たいてい駅前の一等地にあって地代が高い。そこで、そこそこいい給料をもらっている銀行員が安い手数料の振込の手続きをするのでは、採算が合わないのです。

店舗では、儲けの大きい資産運用や相続税、住宅ローンなどの相談業務をメインでやりたい。そのために、昔はいくつもあった振込などのハイカウンターを減らし、じっくり相談ができるローカウンターを増やしています。決して口には出しませんが、「振込などの客は銀行に来ないで」というのが本音なのです。