断捨離で自己肯定感を上げていく(青木)

青木 断捨離は、部屋が綺麗になることはもちろん、自己肯定感が上がることが直感的にわかったので、迷いなく取り組むことができました。

やました そこがわからない人も多いのよ。簡単に言うと、私は自宅が「自分を励ましてもてなす空間」になるべきだと思っています。散らかった部屋の中で自己啓発本を読んでいても自己肯定感は上がらない。さやかさんは勘がいいからすぐに理解してくれました。

青木 私は母との関係に悩み、芸能界で成功したら自己肯定感が上がるかと思って走り続けてきました。でも芸人として売れても自分を愛する気持ちは高まりませんでした。できる限り早いスピードで自己肯定感を高めていくことは私の人生のテーマです。

やました セルフイメージを高く持つと「これは高かったから捨てられない」みたいな発想にならないんです。セルフイメージを低く持っているとそれに合わせて自分も萎縮していくし、高く持っていると自ずと自己肯定感が上がっていきます。そしてモノで訓練すると、人や仕事での断捨離もできるようになっていく。断捨離をすると良い出会いが加速して、自分に必要のない人との別れも加速していく流れが生まれます。また舞台に例えると、同じステージに立つ人たちが集まってくるし、そこに似合わない人とは自然と縁が切れていく。さやかさんとの出会いは本当にワクワクするような素敵なものでした。

青木 私も人は出会いで決まると思っています。人間関係は私にとって最重要。なので人間関係にまつわるモノは捨てづらかったです。大切な人にいただいたものですね。そのモノ自体は飾ろうとは思わないけれど、関係性を思うと捨てられない。

やました 関係性って大事なのよね。私も最近失敗してしまったことがありました。あるおばあちゃんのお宅の片付けに伺ったの。その方は姑にも夫にも支配されていて、2人は亡くなっているのに2人にまつわる何もかもが捨てられない。でも娘さんに説得されてやっと片付けることができるようになった。

青木 よかったですね。

やました でも最後になって、私が玄関に貼ってあった折り紙の作品も片付けようとしたらその方の顔色が変わってしまったの。「お任せするって決めたからいいのよ!」って仰るのだけど、明らかに機嫌が悪くなってしまって。よく聞いてみると、その作品はおばあちゃんが今通っているデイケアで作っているものだったことがわかった。送ってくる介護士の方がその作品を見て「みんな捨てちゃうのに飾ってくれてありがとうね」と言ってくれていたそうで、おばあちゃんにとって今まであまりなかった「褒められる経験」を思い出す大切なモノだったというわけ。娘さんと相談の上、おしゃれに飾り直すことにしました。そうしたら嘘のようにご機嫌になられたんです。

青木 彼女にとって、それは自己肯定感を高めてくれるモノだったのですね。

解放感のある青木さん宅のリビング(写真提供◎青木さん)