愛猫たちの「しもべ」として生きる日々

作品の舞台にこの街を選んだのは、単純に、担当編集さんとの打ち合わせを赤羽ですることが多かったから(笑)。時々、夫と散歩がてら赤羽に来て、昼飲みをします。家から歩くと、そこそこいい散歩になるんですよ。お酒は好きなんですけど強くはないので、軽く飲んで、そのへんを少しブラブラして帰ります。昼酒を飲むと、いい感じに眠くなっちゃうじゃないですか。結局今日は飲んで寝ただけだぁ、と変な罪悪感を覚えつつ1日が終わることも。(苦笑)

お店の名前を「まねき猫」にしたのは、なんでやろ? 確か、打ち合わせで「野良猫」という店名候補が出たんです。私がネコを2匹飼ってるので。そこから、縁起がよさそうだし、と「まねき猫」に変わったんだったかな? そこまで深い意味はないはずです。

家で飼っているのは、「うめ様」と「萩やん」。両方とも、元は保護猫です。うめ様はもともと、保護された方がそう呼んでいたんです。譲渡されたときに、名前を変えてもかまいませんと言われたんですけど。うめちゃん、かわいいじゃないですか! なので、そのまま。例えば「ミルク」とかだったら、変えていたと思います。(笑)
その後、萩やんは生後4週目ぐらいで我が家に来ました。ちっちゃいから、まだ名前もなくて。実は、『万葉集』で一番詠まれている植物は萩で、次が梅なんですよ。当時、桜は意外と詠まれていませんでした。うめ様は梅だから、この子は萩しかないじゃん、と。それで、萩やんになったんです。

坂井家のうめ様(左)と萩やん。萩やんが子猫の頃は、よく寄り添っていた(写真提供=坂井さん)

「敬称」が違うのは、うめ様は私に対して上から目線だから。絶対に私のこと、「しもべ」だと思ってますから(苦笑)。一方の萩やんは、来たときにちっちゃかったこともあって、すっごく下っ端感がある。萩やんはおしゃべりなんですけど、いつも不満ばっかり言ってます。声が不満げ(笑)。そういうキャラの違いがあるから、「うめ様」と「萩やん」なんです。

連載を始めるにあたって、タイトルに入ってますし、せっかくですから読者サービスも兼ねてうめ様と萩やんの写真を載っけませんか、と提案していただきまして。もちろん、ふたつ返事でOKしました。親バカです。(笑)