投げては9勝、打っては46本塁打に100打点

自らの意思で切り開いたメジャーの道。野球の「てっぺん」を目指している今、大谷は日々の積み重ねを大事にしながら挑戦を続ける。そして、日々の中には誰よりも野球を楽しむ姿がある。かつて大谷はこう語ったことがある。

「岩手での時間は本当に楽しく、のんびりと過ごしました。こと野球に関しても、おそらくそういう環境のほうが僕は性に合っていたと思います。個人的には、子供の頃に楽しく、のんびりと野球ができたことはよかったと思っています。楽しくできたおかげで、一回も野球を嫌いになることはなかったですから」

野球が好き――。メジャー4年目の2021年は、その思いがグラウンドに立つ大谷からよく伝わってきた。投打の二刀流で残した数字は圧巻だ。投げては9勝を挙げ、打っては46本塁打に100打点。シーズン最終戦までホームラン王争いを展開し、「2桁勝利&2桁本塁打」というベーブ・ルース以来103年ぶりの快挙に迫る活躍だった。

また、全力プレーで純粋な瞳で「野球を楽しむ」姿がそこにはあった。それこそが彼の本質。観る者を幸せにしてくれることも、大谷翔平が多くの人から「ヒーロー」と呼ばれる所以であるのだろう。

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