世界に伝えたい日本の技術

当たり前に使っている電気の発電にも、新しい技術を取り入れているんですね

高橋火力発電が今も重要ということを知りました。ただ、火力発電は燃料を燃やすことでCO2が出てしまうのですよね。何か対策はあるのでしょうか。

竹内できるだけ発電時のCO2排出量を減らす取り組みが行われています。たとえば燃やしてもCO2を発生させない水素やアンモニアを、天然ガスや石炭に混ぜたりする技術が実証段階に入っています。また、燃料を燃やしたときに出るCO2を地中に埋めたり、集めたCO2から都市ガスの原料になる合成メタンをつくるなどの形で再利用する研究も進んでいるんですよ。

高橋日々当たり前に使っている電気ですが、そんなふうに新しい技術を取り入れているんですね。

竹内エネルギー事情が厳しい日本で生まれた技術を、火力発電に依拠している東南アジアなどの国々にも活用してもらえれば、地球規模の脱炭素化に貢献できるでしょう。野球界でもさまざまな海外貢献をしているそうですね。

高橋たとえば野球をしたくても貧しくて道具を揃えられない子どもたちのために、グラブやバットを贈る活動を行っています。僕らは野球に育てられた人間なので、野球というスポーツが世界に広がり、多くの人に楽しんでもらえたらこんな嬉しいことはありません。

竹内今後、高橋さんがチャレンジしたいことを教えてください。

高橋今日もそうですが、野球とは畑違いのところで新しいことを学べるのは楽しいですね。僕がお役に立てる場所があればどんどん出かけていきたいと思っています。

竹内私も世代的には「野球少年」で、なぜか今でも巨人軍の選手になった夢を見るんですよ(笑)。今日はお会いできて光栄です。ますますのご活躍を期待しています。

高橋 由伸(たかはし・よしのぶ)

1975年千葉県生まれ。桐蔭学園高校、慶應義塾大学卒業。97年読売ジャイアンツ入団。2004年アテネ五輪日本代表。16〜18年読売ジャイアンツ監督。現在は野球解説者、評論家として活躍。読売ジャイアンツの球団特別顧問、読売新聞スポーツアドバイザー

竹内 薫(たけうち・かおる)

1960年東京都生まれ。「科学応援団」としてテレビ、ラジオ、講演などで活躍。2016年、YESインターナショナルスクールを開校。『ゼロから学ぶ量子力学』『AI時代を生き抜くための仮説脳』ほか、科学評論を中心とした著書多数

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