更年期だと思い込み鬱々としていた50代
私は現在、61歳。今年5月に眼瞼下垂(がんけんかすい)の手術を受けた。そして4ヵ月あまりが経過した今、「思い切ってやって本当によかった!」とホクホクしている。
振り返ってみれば、50代の初め頃から慢性的な頭痛や肩こり、腰痛に悩まされ、鬱々として精神的にもつらかった。でも私は、それらの症状を「長い更年期だなぁ」と思っていたのだ。だって、眼瞼下垂からくる悩みと更年期障害の症状はそっくりなんだもの。
そんな私が眼瞼下垂を意識するようになったのは5年ほど前。右目の下瞼がヒクヒクと痙攣するようになり、近所の眼科医へ駆け込んだ。眼精疲労と診断されたが、その折に医師から「あなたは眼瞼下垂になりかけていますね。まだ保険適用の範疇ではないけど」と告げられたのだ。
治療が必要な段階ではないのだなと受け止めたものの、「なりかけている」ということは、いずれ……と気になる。そこでインターネットで調べたところ、美容形成外科のホームページにたどり着き、手術代を見てギョッとした。片眼35万円! しかも、「左右のバランスを整えるため両眼同時に手術することをお勧めします」という記述がある。
のちに相場は両眼で30万~50万円程度だと知ったものの、私にとって論外な金額であることに変わりはなかった。とはいえその時点では、自分には保険治療しか選択肢がないのねと思うにとどめ、ひとまず保留に。
ところが、ほどなくして突入した新型コロナウイルスによる自粛生活中に、頭上の棚を認識できず思いっきり頭をぶつけるという惨事に見舞われた。いつしか、パソコン画面の上部を見るのに、顎を上げるようにもなっている。もしや眼瞼下垂が進行したのでは、と悪い予感しかしなかった。
さらに自粛生活が明けると、周囲の人から「なんだかお疲れ気味?」と聞かれるように。そういえば瞼が重いかも。鏡でマジマジと見てみたら、二重瞼が四重と化し、眠くもないのにトローンとした目になっていたので驚いた。アイテープで瞼を上げる生活を始めたものの、それまで以上に激しい頭痛に襲われるようになってしまったのだ。