観覧車のネオンが映りこむ水面と泳ぐイルカ
写真を拡大 観覧車のネオンが映りこむ水面と泳ぐイルカをスローシャッターで、流しながら撮影(C)2015〜2024 George Nobechi
世界に約400ある有料水族館のうち、150近くが日本にあるという。フォトグラファー・野辺地ジョージ氏が撮影する数々の被写体・シリーズの中で、最も古いのが水族館であり、少年時代の思い出をたどる「旅」だ。日本人にとっての水族館とは何なのか…写真と文で繙いていく

第1回 コンセプト(ステートメント)はこちら

「元祖」マイワシの「トルネード」

名古屋港水族館は、このシリーズを始めた時から行きたいと思っていた名所である。シャチやベルーガなどの大型の哺乳類がいることで有名だが、「脇役」と思われがちな小さなマイワシの「トルネード」(竜巻)は幻想的で、必見だ。

今や全国の水族館で見られる光景ではあるが、名古屋港水族館が「元祖」で、3万5千匹のマイワシの群れのパフォーマンスだ。シャッターを高速で切るパターンと、長時間露光で撮影するパターンと、使い分けてみると面白い結果に繋がる。どちらを好むかは人それぞれだが、楽しみ方は多数ある。

光と泳ぎと音楽のコラボレーションは他にもある。当館は夏季(2024年は7月20日から9月1日まだった)は期間限定の20時までの営業で、最後のイルカパフォーマンスは19時にある。つまり美しい夕焼け空と大観覧車の光の下での圧巻のパフォーマンスを見ることができる。

 

大画面のイルカと、大水槽のイルカ
写真を拡大 大画面のイルカと、大水槽のイルカ(メインプールにて)(C)2015〜2024 George Nobechi