世間から「大丈夫?」と思われがちな生涯独身、フリーランス、40代の小林久乃さんが綴る“雑”で“脱力”系のゆるーいエッセイ。「人生、少しでもサボりたい」と常々考える小林さんの体験談の数々は、読んでいるうちに心も気持ちも軽くなるかもしれません。第43回は「京都ツウぶった文筆業の京都案内」です。
京都っぽいことができるカフェ
気候がズレて、ちょうど今がまさに紅葉の見頃で、観光シーズン。こんな時に足を運びたくなるのは……そう、京都です。
老後は京都で文章を書きながら過ごしたい。そんな思いもあるほど、京都好きの私こと、小林久乃(地元民には「まだまだやな!」と言われますが)。ぜひ秋の京都で訪れてほしい、スポットをご紹介しましょう。今週末は、そうだ、京都行こう。
私が向かったのは南禅寺にある『無鄰菴(むりんあん)』。京都住まいの友人に「京都っぽいことをしたいんだが」と言ったら、こちらを案内されました。明治28年前後に造営された、政治家の山縣有朋の別荘を、カフェとして営業しています。難しい施設説明は現地のガイドさんに無料で聞くこともできますので、そちらを参照に……。ここは古くても、きちんと設えの整った庭を眺めながら、床に座ってお茶が飲めるカフェです。松を眺めて、茶をすすって、なんだか落ち着くのはやはり日本人。友人と2〜3時間近く、しゃべっておりました(居すぎ)。入場料、カフェ代金込みでひとり2000円弱でした。
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こんなふうにゆったり、まったり
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無鄰菴カフェの入り口