簡単で栄養満点だから、と玄米ご飯を毎日食べていたら…(写真:stock.adobe.com)
時事問題から身のまわりのこと、『婦人公論』本誌記事への感想など、愛読者からのお手紙を紹介する「読者のひろば」。たくさんの記事が掲載される婦人公論のなかでも、人気の高いコーナーの一つです。今回ご紹介するのは兵庫県の60代の方からのお便り。簡単で栄養満点だから…と玄米ご飯を毎日食べていたら、健康診断の数値が良くなったまでは良かったけれど、そのうち疲れやすくなってきて――。

玄米レバー食

栄養満点と聞いて、ずっと興味があった玄米。味の評判がいまひとつで二の足を踏んでいたのだが、3年前に思い切って炊いてみた。初めての玄米は、ぷちぷちとした歯ごたえが楽しく、たいそう気に入った。

炊き込みご飯にすると冷めても美味しい。お弁当にも朝食にも重宝する。簡単で栄養豊富とあって毎日食べていると、職場の健康診断の数値が改善。私は気をよくして、ますます玄米生活に励んだ。

ところがそのうち、何となく疲れやすさを感じるように。ちょっと歩いただけで妙に息が切れ、健康診断では貧血の数値が出た。食生活で変えた点といえば玄米だけだが、栄養満点ではなかったのか? 驚いてあれこれ調べると、玄米に含まれる「フィチン酸」という物質に、鉄分を体外に排出してしまう働きがあることを知った。

ならば、ほかの食品で補えばいい。私は鉄分が豊富なことで知られるレバーを選んだ。鶏レバーに豚レバー、それに飽きると牛レバーと、毎日レバーを食べ続けた。気づけば疲れやすさが消え、私は診断を楽しみに、玄米レバー生活に邁進した。

半年後、待ちに待った健康診断。ところがまたしても「再検査」の通知が。不審に思い、数値を確かめて私は驚愕した。コレステロール値が異常に高くなっていたのだ。レバー食の副産物に違いない。極端から極端へ走る食事に、体が悲鳴を上げたのだった。