(『あんぱん』/(c)NHK)

 

今田美桜さんがヒロインを務める連続テレビ小説『あんぱん』(NHK総合/毎週月曜~土曜8時ほか)。子どもたちの人気者・アンパンマンを生み出したやなせたかしと、妻・暢の夫婦をモデルとした物語で<朝田のぶ>を今田さん、<柳井嵩>を北村匠海さんが演じています。小学校の教師になったのぶは、父・結太郎(加瀬亮)の縁で次郎(中島歩)とお見合いし、結婚。愛国の鑑といわれて苦悩するのぶを次郎が優しく受け止めてくれました。しかし、戦後、次郎は病気のため亡くなってしまいます。次郎が速記で書いていた日記のメッセージを読み、前を向いたのぶは、高知新報の新聞記者となりました。のぶを演じる今田美桜さんがコメントを発表しました。

――次郎に対するのぶの思いを、今田さんはどのように想像して演じられましたか?

次郎さんからプロポーズを受けたタイミングというのは、のぶが“愛国の鑑”だと言われることに悩んでいるときで。自分の思う正義を信じている中で、豪(細田佳央太)ちゃんが亡くなってしまい、蘭子(河合優実)とも衝突してしまって……。

本当はずっと「自分の進んでいる道はこれでいいのだろうか?」という葛藤があったものの、家族にすら悩みを打ち明けられず、一人で抱え込んでいました。そんなときに出会った次郎さんが、自分の弱い部分もすべて認めてくれて、やさしく、あたたかく包み込んでくれた。だからこそ、のぶはこの人に自分の人生を委ねてみたいと思ったんだと思います。

次郎さんとのシーンは少なかったのですが、演じる中島さんのおかげもあって、とても思い出深いシーンばかりです。のぶが次郎さんの撮った写真を現像するシーンでは、次郎さんから今までもらった、たくさんの愛情を思い出しました。

その愛情がうれしくて苦しくて、忘れられないシーンです。次郎さんがのぶに残してくれた「自分の目で見極め 自分の足で立ち 全力で走れ 絶望に追いつかれない速さで」というメッセージは、今後のぶがそれを胸に駆けていく、ずっと大事にしていきたい言葉ですね。

もともと走るのが大好きで、いつもまっすぐに突っ走っていたのぶらしさというものを、あの言葉で思い出した感覚がありました。