写真を拡大 ゴマフアザラシと見つめ合う女性(C)2015〜2025 George Nobechi
世界に約400ある有料水族館のうち、150近くが日本にあるという。フォトグラファー・野辺地ジョージ氏が撮影する数々の被写体・シリーズの中で、最も古いのが水族館であり、少年時代の思い出をたどる「旅」だ。日本人にとっての水族館とは何なのか…写真と文で繙いていく
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このシリーズは、全国を旅しながら水族館を訪れて写真におさめる写真家 野辺地ジョージのシリーズを連載した物です。今回第34回は、2024年の極暑の真夏日に訪れた「いおワールド かごしま水族館」のエピソードです。

第1回 コンセプト(ステートメント)はこちら

シドニー・オペラハウス彷彿とさせる建物

鹿児島港(鹿児島市)には、噴煙が上る壮大な桜島をバックにした、シドニー・オペラハウス(豪)を彷彿とさせる建物がある。それは「いおワールド かごしま水族館」である。地元・錦江湾や南西諸島などの海に生息する生き物たちをはじめ、イルカやアザラシなども飼育している。

黒潮大水槽では定置網に入ったジンベエザメを飼育、体長5.5mになる前に海へ帰している。現在10代目で、どの代も愛称は「ユウユウ」。また2020年にエイの仲間としては10年ぶりに新種として記載されたモノノケトンガリサカタザメもいる。

 

 

写真を拡大 「黒潮大水槽」にはカツオやグルクマなどの海遊魚が多数飼育されている(C)2015〜2025 George Nobechi