経済ジャーナリストの荻原博子さんが、お金に関するお得な情報をわかりやすく解説する新連載「トクする!荻原博子のマネーNEWS」。今回は「ふるさと納税で電気の返礼品」です。(イラスト:さかがわ成美 「婦人公論」2025年11月号より掲載)

ふるさと納税で電気の返礼品

地球温暖化防止の一助となるのが「グリーン電気」。CO2の排出が少ない太陽光、風力、地熱、水力などの再生可能エネルギーでつくられ、環境にやさしいのが特徴です。この「グリーン電気」がいま、ふるさと納税の返礼品として登場しています。

ふるさと納税とは、自分の推したい自治体に寄付をすると、2000円は自腹になりますが、それを除く寄付金額分だけ所得税・住民税が軽減され、さらに寄付した自治体からは返礼品がもらえるという制度。これを利用して特定の自治体に寄付すると、その額に応じて電気代が安くなるのです。

たとえば中部電力グループの販売会社「中部電力ミライズ」は、三重県、長野県、静岡県、岐阜県内の計16の市町村と提携して、そこでつくられた「グリーン電気」をふるさと納税の返礼品として提供しています。

対象の自治体に1万円の寄付をすると、お礼の品として150キロワット分、金額にして2500円分の「グリーン電気」がもらえるのです。

関西電力は岐阜県飛騨市と提携し、10万円の寄付で、飛騨市でつくられた電気1万5000円分に加え、飛騨市の特産品1万5000円分を返礼品として提供しています。東京都世田谷区も、7万円の寄付で2万円分の電気がもらえるふるさと納税を始めました。

ほかにも秋田県鹿角(かづの)市、群馬県中之条町、愛知県豊田市、岡山県西粟倉(にしあわくら)村、大分県臼杵市、鹿児島県薩摩川内(さつませんだい)市など、寄付額の3割を上限に返礼品として電気を出す自治体が増えています。