「日経平均株価が最高値を更新」 こんなニュースを目にするたびに、資産運用をしている人の中には、ご自身の資産の評価額が気になる人も多いのではないでしょうか。 「老後のために」と始めた資産運用。 評価額が大きく上がっているのを見ると、「今が売り時なのでは…?」と考える人もいるかもしれません。 しかし、将来のための資産運用であれば、相場の動きに一喜一憂してむやみに利益を確定する必要はないと考えます。 この記事では、金融工学の専門家で資産運用サービスの研究・開発を手がける得能達氏が、その理由をわかりやすく解説します。 第3回は「『高値のうちに利益確定』おすすめできない理由」です
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短期的な相場の予測はプロでも難しい
資産運用を始めてから、日々のニュースやSNSで「今が天井だ」「もうすぐ急落する」といった相場の予測を目にする機会が増えた人もいるでしょう。
しかし、短期的な相場の動きを正確に予測し続けることは、専門家であっても非常に難しいことです。
いつ、どの程度下落するのかを完璧に見抜くことは、現実的には不可能と言えます。
「そろそろ下がるのでは…」と予想して利益を確定した結果、さらに相場が上昇した場合、その分の利益を取り逃してしまうこともあります。
これは、運用を続けていれば得られたはずのリターンを、ご自身で逃してしまうという、別のリスクを負っているとも言えるのです。
これまでに、相場の下落を恐れて利益を確定したものの、その後も上昇し続けて、慌てて買い直した経験があるという人もいるのではないでしょうか。