母には「怒りの愛子」流子育てはキツかっただろうと…
101歳を迎えた作家の佐藤愛子さん。100万部突破の『九十歳。何がめでたい』(2016年、小学館)をはじめ、ユーモアエッセイで長く人気を博しています。百寿者とは思えぬ仕事ぶりの一方で、家族からみた佐藤愛子さんの姿とは。孫の杉山桃子さんがコミックとエッセイで描く『婦人公論』の連載「うちのばあさん101歳」。第10回目は「母の変化」。

母の変化

母と祖母の関係は複雑だ。孫であり娘である私でさえ、誤解を招かぬように書くことに細心の注意を払わなければならないほどに。

母がまだ幼い頃に、祖父と祖母は離婚し、そこからは母一人子一人で生きてきた。祖母は一人で二人分の生活を支え、母は二人分の生活を支える祖母を支えた。

祖母と母は親子であると同時に《夫婦》だった。しかも典型的な昭和の夫婦である。

祖母は母を深く愛し、支配し、自分の思う通りの幸福を手に入れて欲しいと願った。