(イラスト◎大野舞)
スピリチュアリストとして、さまざまな角度から読者のお悩みに答え、生きる指針を示してくれる江原啓之さん。現在は熱海に在住し、ていねいな暮らしをしながら日々「生きる上で大切なこと」を発信し続けています。『婦人公論』のリニューアルにあたって始まった新連載「〈幸せぐせ〉を身に着けよう」。第8回は「自分の悪口を聞いた時の対処法」です  

Q 親友が自分の悪口を言っていたと、別の友人から聞いたとき

A)笑って聞き流す

B)親友に事実を確認する

誰でも悪口を言うもの

あなたは今まで、誰かの悪口を言ったことはありませんか? もし「一度も悪口を言ったことがない」という人がいたら、偽善的な人だなと私は思います。人は利己的な存在ですから、誰でも悪口を言うものです。相手のことをすごくいい人、大切な親友だと思っていても関係ありません。自分だって言うのだから、逆に言われたとしてもお互いさま。ということは、今回のように人から聞かされても親友に問いただすなどジタバタせず、気にしないのがいちばん! 幸せぐせはAです。

もちろんスピリチュアルな視点から見れば、自分の身に起こることはすべて意味のある学びです。陰口を言われることも、それを友人から間接的に聞かされることも大切な学び。人生の虎の巻にまたひとつ教訓が加わったと思って、その学びを心に刻めばいいのです。例えば「あなたのしたことが迷惑だったと彼女が言っていた」と聞かされたら、「よかれと思ってしたけれど相手には迷惑だったのかもしれない。今後は気をつけよう」「陰口は必ず当人に伝わるものだ。自分は伝わってもいいと思うときだけ言おう」と自戒する。悪口を報告してきた友人に対しては、「この人はこうやって内輪の話をよそでしゃべる人なんだ。うっかり口車に乗って大事な話をすると危ないぞ」と覚えておく。これらをすべて心の中で理解し、「ああ、そうなんだ」と受け止め、「笑って聞き流す」のです。

そもそも悪口といったところで、だいたいが悪気のないものです。言った親友も、「そのときだけの感情で心にもないことを言った」「悪口というほどではなく、ただのグチ」というのが本音でしょう。しかし第三者が間に入れば、正確には伝わりません。「二人の仲を悪くしてやろう」という意図的な脚色が入る場合があるのです。それを真に受けて、「こんなこと言っていたんだって? どういうことなの?」と親友に事実確認したところで、「そんなつもりで言っていないわ」「だってそう聞いたよ」などと、こじれるのは想像に難くありません。釈然としないまま気に病んで、家で夫にグチれば、ちゃんと話を聞いてくれない夫にまた腹が立つ。心にかかる暗雲はどんどん広がり、家庭も親友との関係もギクシャクし、二重、三重の不幸スパイラルに突入する。これがBを選択した行く末です。