初級、中級、上級の対応

自分の悪口を間接的にでも聞かされ、たとえ心の中はショックで泣きそうでも、笑顔でスルー。これが大人の対応の初級編です。ポイントは、それ以上悪口の話題に乗らないこと。「ヒドイ。そんなことを言っていたの?」とうっかり反応すると、今度はあなたの言ったことが相手に伝わる可能性大だからです。それよりも「私ってそういうところがあるのよ。彼女に悪いことしちゃった」と、指摘されたことを肯定し、サッサと話を終わらせるのが得策でしょう。

大人の対応の中級編は、「ああ、それね、本人から言われたことがあるの」と嘘でもいいから言う。もしかするとその友人は、悪口を《私だけが教えてもらった秘密》として得意げにあなたへ伝えたのかもしれません。そこで「もう知っている」と聞かされたら、「なぁんだ」と拍子抜けするはず。人間関係にヒビを入れようという悪意のあるいじわる心で告げ口してきた場合は、方便で対抗して良し、と覚えておきましょう。

(イラスト◎大野舞)

上級編は、おしゃべりな友人を利用する方法です。「彼女があなたのことをこう言っていたよ」とネガティブな内容を告げられたら、すぐに「もうそれ以上言わないで。私、彼女とずっといいお友達でいたいの。ごめんね、今の話は聞かなかったことにするわ」と遮る。人から聞いたことをべらべらとしゃべるような友人は、あなたの発言も親友に伝えるでしょう。親友が本当に悪口を言っていたとしたら、あなたの反応を聞いた当人は、「私をそんなに大事に思ってくれていたなんて。悪いこと言っちゃったな」と気がとがめるはずです。

これらのメソッドに加え、幸せの上乗せをする幸せぐせも実践しましょう。それは自分にちゃんとご褒美をあげること。「今日ちょっとショックなことがあったけれど、うまく切り抜けられたから、すき焼きにしちゃったわ!」などと家族にも還元してください。すると夫は「ラッキー!」と思い、なんなら「何があったの?」と話を聞いてくれるかもしれません。そこで「悪口ぐらい誰でも言うよ。オレも会社で言われているしさ。気にするな!」なんて夫に言われたら、気持ちがまた軽くなります。「やっぱり家族がいてよかった」と気分が良くなり、「生卵、追加する?」「このお肉、美味しいなぁ」と夫婦の会話が増えて、家族円満、幸せ度もアップするでしょう。いかがですか? ネガティブなこともちょっとした行動のくせで、確実に幸せへと転じられるのです。

前回「夫への不満を減らし気分良く暮らすには? サプライズを待ち続けてイライラするのは不毛。〈お互い様〉と謙虚な気持ちに」はこちら


きれいに逝かせてください』 2022年8月5日発売 

コロナ禍において改めて注目されるようになった「看取り」。
感染拡大下の病院では、家族が面会に行くことが難しくなり、看取りのプロセスに直接立ち会うことができないという事態が起きました。
そして今、改めて看取りをめぐること、すなわち、どう看取りたいのか? どう看取られたいのか? という問いが、家庭及び医療現場で浮かびあがっています。

本書は、在宅医療の現場で「終末医療」のあり方を模索し続ける医師新城拓也氏と、作家で精神世界に詳しい田口ランディ氏が、それぞれの立場から浮かび上がった疑問をスピリチュアリストの江原啓之氏に問いかけ、令和時代における「より良い看取り方」、そして誰もが避けては通れない「より良い看取られ方」すなわち「きれいな逝き方」について考える鼎談集です。