離れて暮らしていると、親や家族に関する心配の種をつい放置しがち。しかし、しっかり向き合い情報を集めれば、必ず解決策が見つかります。今回のお悩みは…(イラスト=花くまゆうさく 構成=上田恵子)
《質 問》
実家にひきこもりの兄がいます。今は両親が年金で生活費を賄っていますが、親が亡くなったら誰が面倒を?(49歳・主婦)
《プロの回答》
回答者:畠中雅子(ファイナンシャルプランナー)
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まず重要なのは、お兄さんがご両親のお金だけで生き延びられるかどうかを調べることです。もしも実家に十分な資産があるのなら、お兄さんに多めに相続させるよう手続きするのがいいでしょう。
ほかのきょうだいは不公平な相続を受け入れることになりますが、その代わり兄の面倒はみない。そうしないと、自分たちの老後が破綻してしまいますから。きょうだいの面倒をみるというのは、想像以上に大変です。
親に資産がない場合は、どのタイミングで生活保護に切り替えるのか、その申請に関して誰が役所に同行するのかを話し合っておく必要があります。
各都道府県・政令指定都市にある公的機関「ひきこもり地域支援センター」に相談するのも一つの方法です。ここでは、ひきこもりから脱して働きたいと考えている人への就労支援なども行っています。
誤解している人が多いのですが、「親の家に住んでいるから生活保護が受けられない」というのは間違いです。
生活保護とは、生活扶助・教育扶助・住宅扶助・医療扶助・介護扶助・出産扶助・生業扶助・葬祭扶助という8つの扶助の総称。ここからその人に必要な扶助を組み合わせることができるので、お兄さんのように親の家に住んでいる人は、貯蓄が底をつきそうになったら、当面必要となる生活扶助と医療扶助だけを受ければいいのです。
手続きは、家族が代理で行っても構いません。詳しくは役所の生活保護課で確認を。