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女性や多様な立場の人が活躍する社会が目指されています。そんななかでANAホールディングスの役員として、社内の多様性を推進する立場にある種家純さん。多角的な視点を育んだ契機は40代での「新たな学び」にありました

違いを互いに認め、
支え合うために

ANAグループには私が勤めているANAホールディングスやANAをはじめ、多くのグループ会社があり、4万人超の社員が働いています。私は2021年から、DEI(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)推進部長を担っています。

「ダイバーシティ」という言葉は、ご存じの方も多いでしょう。もともとは人種や国籍、宗教、文化、年齢、障がいの有無、性別といった違いを超えて、多種多様な人が集まった状態のこと。さらに最近では、価値観や知識、経験も含めた違いも多様性としてとらえるようになっています。

そうした違いを互いに認め、チームとして支え合いながら成果を出していくために必要なのが「インクルージョン(受容・包摂)」。さらに、その実現に向けた理念が「エクイティ」です。公正性という意味で、一人ひとりが抱える事情に応じて適切なサポートをしていこうという取り組み。たとえば、子育てや介護をしながら働く人に合わせた、制度の整備などを指します。

まだまだ数の少ない女性管理職の比率をできるだけ早期に30%まで引き上げることも、会社としての大きな目標です。

ANAでも以前は、女性が出産や育児といったライフイベントで休職すると、その期間、人事評価が下がってしまう傾向がありました。その点を見直し、復職後も次のステップに進みやすい制度作りが行われてきました。

現在のDEI推進部長に着任する以前、私が多角的な視点を持てるようになったのは、40歳を目前にした「新たな学び」の経験があったからかもしれません。