梶芽衣子さんとの共演。「ご縁ってほんとにある」
私が演じた真莉は、もう少し気楽にやったらいいんじゃないの? というところを受け入れられない頑なさがあります。仕事も子育ても、自分のやり方が正しいと思っているがゆえに、他人と衝突することも。
母乳での授乳が息子への愛情だと信じていて、次第に自分自身を追い詰めてしまう。でもひとりで生きているわけではなく、パートナー・河野彩役の前田敦子さんや、母親・真子役の梶芽衣子さんといった、まわりのみんなが彼女をサポートしてくれています。
作品では、女性同士のパートナーシップに関してはとくに説明がなく、それがごく当たり前のことだという認識のうえでストーリーが描かれていて、それもとても素敵だなと思いました。
パートナーや母親は、真莉に見返りを必要としないサポートをしてくれるわけですが、それは愛がないとできないですよね。彼女がそこに気付いた瞬間に、意識がガラリと変わる。いろいろな立場によって視点や共感していただけるところも違ってくると思いますが、彼女の気付きと感情、その変化にも注目していただけたらと思います。
あっちゃんは、以前CMでご一緒したことはありますが、作品としてご一緒するのは今回が初めて。梶さんは、この作品の撮影に入る前に、映画祭の授賞式の時に隣同士になったことがありました。その時に、私の出演していた映画を褒めてくださり「絶対にご一緒できる日が来るのを楽しみにしているわね」と言ってくださっていたんです。
その映画祭の段階では、まだ今回の作品のお話は決まっていなかったのですが、そのあと梶さんが私の母親の役に決まったと聞いた時は、すごくビックリしました。「ご縁ってほんとにあるんだな」と思って、ご一緒できてうれしかったです。