第2回樋口恵子賞では、「老若男女の幸福な超高齢社会の創造と、次世代の輝く未来を目指して活動する個人または団体を応援するため」とする募集に対し、全国から54件の応募がありました。厳正な審査の末受賞した4つの団体を以下にご紹介します。
空き家を活用して多世代の居場所づくり
広島県尾道市「一般社団法人 UMEプロジェクト」
里山と里海に恵まれた広島県・尾道市の浦崎地区で、多世代が幸せに暮らせる街を目指し、さまざまな取り組みを行う「UME(ゆめ)プロジェクト」。
高齢化率44.4%の地で空き家を再生した集いの場には、シニアをはじめ地元の住民が集まり、子どもたちが放課後「ただいま!」と帰ってきます。地元企業や農家の協力でおこなうフードドライブ事業、大学生による子どもたちの遊びや学びの支援も。
代表の高橋真理子さんは介護のため東京と尾道を行き来する二地域居住をするなかで、浦崎地区で皆が集える場の必要性を感じ、4人の老親を看取った後、活動を開始しました。わずか3年で地元の企業や大学、人々を巻き込んでさまざまな活動を立ち上げています。
「おひとりさま」の孤立を防ぐイベントを開催
東京都世田谷区「砧むら おばちゃん会議」
「通称OBK、《地域のおせっかいおばちゃん》として活動しております」と元気なスピーチをしたのは代表の大海篤子さん。
月1回「おひとりさま研究会」をひらき、地域の女性たちで歌を歌ったりおしゃべりをしたり。参加者の最高齢は90歳。調子が悪いという人を地域包括支援センターに繋ぐなど、地域の人が孤立しないための適度な「おせっかい」を焼いています。
グループホームや地域の大学生の協力も得て開催するイベント「ぐるぐる砧」では、子どもたちが昔遊びを楽しんだり、高齢者が介護施設の相談をしたりするなかで、世代を超えた隣近所の繋がりを構築。農家から提供を受けた大蔵大根や世田谷産のはちみつを売って、年間の活動費にあてています。