LINE年賀も面倒だ

さて昔から続く新年のご挨拶がなくなって、何か自分の生活に影響が出たかというと、今のところ感じることはない。仕事に関しては前述通りで、新年も含めて絶え間なく実績をアピールしながら、コンタクトを続けていくのみである。あと忘れてはならない、本人の努力。

年賀状を出さないのだから、せめて友人に年賀LINEくらいは送ろうと専用の画像だけは用意する。要はアプリで作成する年賀状のようなデータだ。恋人と別れる宣言をしたのに、いつまでも未練がましい女のようだけど、つい手が動いて作ってしまうデータである。ただ正月は実家に帰省を強いられる地方出身。そのまま三が日の宴会もあって、まともにスマホをいじっている時間も普段ほどはない。用意した年賀LINEデータはいくつかのグループLINEでお披露目しただけで、終了となる。

2022年の仕事や、目上の方に送る用のLINE年賀。ここまでは公私を分けて作るマメさがありました

ここで友人との関係に歪みが生まれるかといえば、営業年賀状に引き続き、まったく影響がない。最近、友人も中高年化していて、0時の新年カウントダウンまで待てずに就寝している。翌朝、

「ごめ〜ん、寝てた、あけおめ〜」

ともう新年なのか、おはようの挨拶なのか不明。

「酒に弱くなっちゃって、返信できなくてさあ」

と、三が日の宴を終えてからの返信も。そのうち「老眼が進んで……」という理由も増えてきそうだ。思い返すと、2010年前後のカウントダウンは「0時一斉にメールを送らないでください」と、通信会社から注意喚起があったのに、最近ではそれも消えた。年賀LINEの意味さえも希薄になっているのか、それとも通信システムが進んだのか。

こんな現象を「寂しい」と言う人もいるだろう。1年に1回くらいは、相手のことを思い、文字をしたためる作業には趣があることはわかっている。とはいえ、物価の値上がりが続く中、そう給料は上がらず、原稿料ももちろん上がる気配はない。今よりももっと景気が上向きになって皆の収入もUPした際は、年賀状や手紙を書く気持ちのゆとりも生まれてくるかもしれない。

この原稿を書いているうちに、総務省から郵便料金の値上げ案が発表された。はがきは現在の63円から85年に値上げが検討されているとか。そう、年賀状とは手間と時間がかかるだけでなく、もはや豊かさの象徴なのだ。

そうは言っても、現実問題、年賀状よりも書かななければならない原稿と、企画書と向き合う、2023年の年の瀬である。

2023年、今年ですね。基本的に自分の宣伝しか考えなくなった、公私兼用のLINE年賀状。年を取るとは私欲が膨大化することです