何かおかしいと感じ病院へ

秋。おっぽを可愛がってくれる友人が遊びに来て、相変わらずぐるぐると歩き続けるおっぽを抱っこした途端に、倒れるようにおっぽは友人の腕の中で寝た。目を開けたので床におろすと、またぐるぐると歩き始め、抱っこすると、すぐに寝る。

これはおかしいのではないだろうか、と翌日病院に連れていき検査をしてもらうと、身体のあちこちの数値が悪くなっていて、あぶない状態だと言う。驚いた。

「でも、先生、ほら今も歩いてるから元気にみえます」
「犬は体がおかしいなと感じると怖いから眠れないことがあるから、歩き続けているのかもしれない。だから、抱き上げると安心して眠るんだと思う」

とにかく点滴をして数値が戻ることを期待しよう、ということになり入院になった。わたしと娘は朝と仕事帰りに病院へいき、歩き続けようとしているおっぽを抱いた。するとおっぽはあっという間に寝息を立てて眠った。翌日も翌々日も数値は戻らなかった。

数日後、このまま点滴を続けても回復する可能性はないと思う、と説明を受け、おっぽを連れて家に戻った。おっぽは歩く元気はなさそうでスースーと眠っていた。わたしはおっぽの隣で寝た。ガーゼに水を含ませたものを口元に近づけると水を飲んだ気がした。2匹のネコたちは、近づいてフンフンと鼻を鳴らしたがイタズラはしなかった。

おっぽがあまりにも静かに眠る時は、死んだのかな、と心配したが、カラダを触ると弱く動いていた。