おっぽはボケはじめていた

昨年の春。お腹をこわしたおっぽを連れて動物病院に行った。

「先生、ごはんたくさん食べるんですよ。むしろ増えましたよ、食べる量が。お年寄りだし、食べたいだけ食べたらいいなと思って、美味しいのあげようと思って。痩せてるし」
「まあ、食べたいならいいけど、ボケてきて食べ続けてる可能性もあるからね」
「え!犬もボケるんですか」
「犬も人間と同じだから、ボケるよ」
「え!部屋の中を、ぐるぐると歩き回るんですけど、もしや」
「ボケ始めてるかもしれないね」

本連載から生まれた青木さんの著書『母』

先生は、ごはんをあげすぎてしまうとお腹をこわすこともあるから適量でね、と教えてくれた。

おっぽはボケはじめていたようだ。
どうりで同じところをぐるぐると歩き続けていたわけか。