英和 うん、連勝しているうちにテレビ中継もバンバン入るようになり、契約金だけでも相当な額になったはずだけど、試合の裏でそんなお金が動いていたこともぜんぜん知らんかったから。
いくら勝っても生活は苦しいままだったし、そう言えば、会長はごっついビルを建てたなぁっていう感じだった。でも、その事実を知ったのは数年前で、会長に確かめようにもすでに亡くなってるし。
佳子 そこから、お金に不信感を抱くようになったのよね。信頼していた人も変えてしまう力がお金にはあるって。お金というのはとてもありがたくて大事なものだけれど、怖い面もある。だからこそ、私が防波堤にならなければと思ったの。
かずくんに二度と嫌な思いをさせないように。お金のことは一切気にせず、俳優の仕事に集中できるよう、赤井家の家計は私がきちんと管理しようって。
英和 ありがとう。佳子ちゃんと一緒になってから、ホンマに生活が安定してる。
佳子 結婚して以来、事務所を設立し、税理士さんに相談しながら、1円たりとも間違いがないようにやってきたので、うちの家計はクリーンです。
英和 家計簿も、1円単位でつけてるの?
佳子 いや、そのへんはざっくりと(笑)。子どもたちの意見を聞いて、中学からの海外留学を決めたあと学費の高さにビックリしたり。でも教育費は大事だし、その時々になんとかやれている感じかな。