混雑期は1時間前行動で
混雑時の移動で、まず心得ておいたほうがいいのは、“1時間前行動”。「いや、そんな早くなくても……(笑)」と突っ込む前に読み進めてほしい。実際、私も「新幹線、乗れないかも?」と冷や汗をかいたのだ。
昨年のゴールデンウィーク、東海道新幹線の改札が大混雑となった。コロナ禍以降、制限のなくなった連休で観光客が押し寄せたことが原因だ。新幹線のチケットを持っているにも関わらず、ホームはおろか、改札まで進めずに予約していた席を見送った人もいたらしい。連休中、仕事をしながらSNSでその様子を見ていた。自分はこんな時期に新幹線は乗らないと、タカを括っていたけれど、年末に覆されることになろうとは。
ゴールデンウィークの惨事を知っていたので、年末の帰省も同じような状況になるかもしれないと危惧。私は新幹線の発車1時間半前に東京駅に到着した。人の多さを見て「うわ……」とつぶやきながら、予定していたサンドイッチとコーヒーを購入。どの土産物店も普段まったく見ないほど、大行列していた。
ホームの待合室で時間を潰そうと、発車40分前にいざ、改札へ。
自動改札機にスマホをかざすと「ピンポン!」と、あのエラー音が鳴って、行く手をふさがれた。
(え……私……?)
そう、どう見ても私。何かの間違いではないかと、恐る恐る、再度スマホをかざしても結果は同じく「ピンポン!」。後ろに並んだ客たちの、不愉快そうにこちらを見つめる顔も確認した。
仕事で1~2ヵ月に一度は新幹線を利用しているので、乗車に関しては慣れたもの。まさか自動改札機に引っかかるなんて予想もしていなかった。あのエラー音を聞くのは、いつぶりだろうか。しかし、何度聞いても「通過させません!」という、不合格通知を受けたような気分になるのは私だけ?
改札の脇に逸れて、通過不合格となった理由を考えた。まず思いついたのが『EXアプリ』と『suica』の連携。つい最近、電車を利用する際に、JRと私鉄でアプリを分けて使用する設定をした。面倒でもその設定であれば、効率よくポイントが貯まるという、おばさんの節約テクだ。
アプリの連携を確認して、再度、列に並ぶ。つい数分前、通過不合格をもらったときはそんなに混んでいなかったのに、一気に混み始めている。アナウンスによると車両の不具合で、新幹線の発着に遅延が生じているという。さすが年末年始、緊迫感を増してきた。
で、再度自動改札機にトライすると、すげなく「ピンポン!」のエラー音が鳴った。まさか、まさかの二度目の不合格。