京都に昔の気分で出かけると…

たとえば、全国に約3万社あるといわれる稲荷神社の総本社で、山際の参道に赤い鳥居が連なる伏見稲荷大社。

その鳥居が写SNSと相性が良い、つまり"インスタ映え"することから人気で、いつ行っても鳥居の下に人がびっしりと並ぶようになっています。 

外国人観光客で溢れる伏見稲荷大社(写真提供:Photo AC)

美しい禅庭がある東福寺は、紅葉の季節になると、開門からすぐに、庭を一望できる通天橋の上に人が連なり、立ち止まることもできません。

伏見稲荷や東福寺に限らず、穴場的だった名所でも、今はひとたびSNSで拡散されるや、たちどころに混んでしまいます。嵐山・竹林の道は、もはや通勤ラッシュの様相で、京都を好きな人が昔の気分でうっかり出かけると、疲労困憊するはめに陥ります。

観光シーズンの京都では、駅が混みすぎて、普通に電車で移動することが難しくなりました。駅のタクシー乗り場には長い行列ができ、町中が渋滞しています。