NHK朝の連続テレビ小説「ブギウギ」にも出演のお笑い芸人の友近さん。芸歴50周年の演歌歌手 水谷千重子、ピザ屋で働く中高年プロアルバイター 西尾一男など、鋭い洞察力と表現力で数々の役を演じ、お茶の間に笑いを届けています。今の友近さんを作り上げた、お笑いの原点とは。友近さんいわく、「子どもが観てはいけない大人のドラマを観るのが好きだった」そうで――。
大きな影響を受けた「土曜ワイド劇場」
子どものころから、子どもが観てはいけない大人のドラマを観るのが好きでした。
なかでも取り分けて大好きで、大きな影響を受けたのが「土曜ワイド劇場」です。
「2時間ドラマ」「2時間サスペンス」は、全盛期は民放各局で制作されていたし、時代、時代に、いろいろなシリーズがありました。
そんな一大勢力を誇った2時間ドラマ枠のなかでも、老舗中の老舗といえば、テレビ朝日の「土曜ワイド劇場」、通称“土ワイ”と、日本テレビの「火曜サスペンス劇場」、通称“火サス”でした。
「火曜サスペンス劇場」は主題歌である岩崎宏美さんの「聖母たちのララバイ」「家路」など、大ヒットソングが流れるなかで、エンドロールが上がっていくメジャー感がありましたね。
それに比べて「土曜ワイド劇場」は画面も暗く、圧倒的に淫靡(いんび)な作品が多かった。
でも、私はそういうところに惹かれてしまうわけで、「土曜ワイド劇場」派となったわけです。
この派閥意識はいまだに強く、「2時間サスペンスみたいやね」とたとえるとき、「♪ちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃーらー」と「火曜サスペンス劇場」のテーマを口ずさむ人がいると、「あ、そっちか」と、と思っちゃいます(火サスも好きですよ!!)。もちろん、心の中だけで口にはしませんが、そこは厳しくやらせてもらってます!