佐光 そこで私がごはんを出すと、「最後はママが何とかしてくれる」と思われて、結局、私の仕事になってしまう。それは避けたいでしょう。だから、責めたり怒ったりせずに、みんなで一緒に困る。
くわばた できなくても怒らない。そこが難しい。私は自分ができないくせに、子どもができなかったら責めるんですよ、「何でできへんねん」と。「大人ってできるんだよ」というのを演じながら、子どもにも「ちゃんと」を求めてるんやなあ。
佐光 私も朝起きられなくてお弁当のごはんを炊けなかったことはありますし。そう思うと怒れないです。
くわばた 今、子どもたちに、食べ終えた食器を台所に持って行くのをやってもらってるんですけど、やらないときもあるんですよ。よ~し、今度忘れたら、怒りながら私が片付けるんじゃなくて、次の日、変なお皿で出したるわ。「あんたたちが下げないで洗われへんから、これしかないわ」って、そしらぬ顔で。(笑)
佐光 妻や母親にもできないことはあるし、夫にも、子どもたちにもある。それをこっちだけが抱えずに、みんなにも一緒に困ってもらいながら乗り越えよう、と。そうすれば家事は今の半分くらいになるはずです。
くわばた 何でもやってあげることがいい妻であり、いい母である……。その呪縛から少し逃れられそうな気がしてきました。
佐光 子どもの将来を考えるのなら、彼らが一人の人間としてちゃんと生活できるようになってもらうほうが大事ですよ。夫についても、もちろん同じことです。 また、家事でストレスをためないためには、掃除ロボットや食洗機など、便利な道具を積極的に使うのもいいですね。