撮影:藤澤靖子
3人の子どもを育てながら、仕事に主婦業にと奮闘中のくわばたりえさん。著書『家事は8割捨てていい』の著者・佐光紀子さんに、「家事の手抜きは後ろめたい」と打ち明けるくわばたさんですが……。後編は、そんなくわばたさんに佐光さんが家族へのまかせ方を伝授します。(構成=福永妙子 撮影=藤澤靖子)

※本記事は『婦人公論』2019年10月23日号の特集「家事はもう、がんばらなくていい」内に掲載されたものです。

〈前編はこちら

早いうちから兜を脱いで

佐光 苦手な家事ってあります?

くわばた 洗濯は洗濯機が勝手にやってくれるけど、畳んだ洗濯物をタンスに片付ける作業が大嫌いです。だから洗濯物が部屋の隅っこに積み重なっていて、それをバ~ンとひっくり返しながら、子どもが遊ぶ。

佐光 私は、普段着は全部、ハンガーに干して、乾いたあともそのままハンガーに掛けたまま。Tシャツなんか畳んであると、半袖か長袖か判断がつかないですから。

くわばた 確認するのに一回、広げてね。

佐光 それをまた畳むのもイヤでしょう。でも、掛けておいたら、わかりやすい。娘が保育園に通っていた頃、「今日の一着が決まるまで何枚出すのよ。これ全部、後で私が片付けるの?」と思ってましたけど、ハンガーに掛けたら娘もチェックしやすく、出して、もどすのも本人。そして下着は個々人のバスケットに放り込んで、「あとは自分で畳んでね」。

くわばた 自分でやらせる、と。

佐光 妻や母親が家事のすべてをやるなんて無理。私は早いうちから兜を脱いで、家族に「できません」「それは無理です」と言ってきました。娘が中学校に上がるとき、「みんな制服のブラウスがシャキッとしてる。私のもアイロンかけて」と言ってきたんです。私は「それは無理よ。ママはアイロンがけが苦手だから、毎日かけたら超不機嫌になりそう」。それを聞いた娘は、「じゃあ、私がやる」と言いだして、今ではアイロンがけが大得意。毎朝、シャキッとアイロンをかけた洋服で出かけます。

くわばた やってあげることがいいことやと思ってた……違うんですね。