ひろしま雨情

出待ちで男性が持っていたという達筆の封筒(写真提供◎五木さん)

カップリングは『ひろしま雨情』という楽曲で、これも僕が作曲しています。これまで、いろいろご当地ソングを歌ってきましたが、広島は初めて。

この曲、実はとても不思議なご縁でできあがったんです。

昨年、広島でコンサートを行ったあと、会場の外でファンの方々が「出待ち」をしてくださっていた。いつものように車の中からみなさんに手を振ってご挨拶しながら進んでいったんです。

すると、その中にA4ぐらいの大きさの封筒を持って、こちらに向かって振っている男性が目につきました。いや、目についたのは、その封筒。とても達筆な筆文字で「五木ひろし様」と真ん中に書いてあったんです。
それが気になって、車を止めてもらい、窓を開けてその男性から封筒を受け取りました。そしたらその中に「ひろしま雨情」の歌詞が入っていたんです。

これまでも、ファンの方々から歌詞をいただいたことはありました。事務所に送られてきたり、直接手渡されたことも何度もあります。とてもありがたいのですが、残念ながらそのまま使わせていただいたものはほとんどなかった。でも、今回の『ひろしま雨情』は地元ならではの視点で書かれ、ストーリー性のあるとてもいい歌詞だったんです。