(2024年2月4日のこじらせライブより。中央の志村けん似がレッツゴーよしまさ、タモリ似がジョニー志村)

データベース人間

能町 私、各界のとんでもないマニアが大好きなんですよね。話を聞いてるだけでも。

ヒャダ わかる。そのジャンルのこと知らなくても好き。

能町 クイズ作家の日高大介さんが、とんでもないものまねマニアなんですよ。フジテレビや日テレでやってるものまねグランプリ系の番組を全部録画して見てて、データベース化してるんです。「第●回で誰がなにやった」とか。しかも本人も「ものまねのものまね」をやったりするんですよね。ヤバいじゃないですか、そんな人。

ヒャダ 「第●回の決勝戦でやったネタだ!」みたいな。

能町 そうそう。そういう人がいい。

ヒャダ それこそ僕が一緒に「genEric genEsis」というトークユニットをやってるミラッキさんは古畑任三郎に異常に詳しくて、すぐ答えられるんですよ。もう古畑任三郎のデータベースです。データベース人間って面白いですよね。

能町 相撲界でも、とんでもないデータベース人間の方がいるんですよ。相撲の取組で珍しいことが起こると、ツイッターで必ず「これは●年●月以来のこと」みたいなことを即座に出してきて。

ヒャダ 人間ChatGPT(笑)。

能町 当時の大正時代の新聞とかをすぐ出してくるんですよ。でも何者なのかわからなくて。ずいぶん前、相撲雑誌の編集部から「会ってみたい人はいませんか?」と聞かれたときに、「この人に会えないですか?」と言ってみたんですよ。当時、何者なのか誰も知らなくて。ツイッターでの名前も昔の力士の名前から取ってるし、口調も時代がかった感じというか、硬い文体で書くんですよ。普通に考えたら60代、70代くらいの人だろうけど、ツイッターを使いこなしてるから、40代50代のめっちゃマニアの人なのかな……と思って会ってみら、24歳だったの。

一同 おお〜!

能町 何者か知らない状態で対談させてもらうことになって、先に編集の人に「どんな人です?」と聞いたら、「……若いです!」と言われて。で、会ったらそういう年齢で衝撃を受けましたね。今はもう30くらいだと思いますけど、リアルタイムでは朝青龍の時代からしか知らないのに、相撲が好きすぎて過去の雑誌や書籍を全部集めて、でも分量的にはとても保管してられないから、スタンドスキャナーを買って全ページスキャンしてデータ化して。

一同 えええ〜!!

ヒャダ もうよしまささんと、ほぼ一緒ですね。

能町 同じです。だからなにかあったときにはすぐ検索できちゃうんですよ。

ヒャダ ひとり図書館(笑)。

能町 そう、ひとり図書館状態。異常なデータベース人間ですごかった。

ヒャダ 自分には真似できる部分がなにもない。

久保 私もデータベース系、めちゃくちゃ弱い。記憶力もないし、「面白かったあの番組のあのセリフ」みたいなやつを年々覚えられなくなってて。たまたま見てて、「これ久保みねヒャダで言おう」と思っても、詳細を忘れてしまって、(全録の)レコーダーからもいつの間にか流れちゃって……みたいなことになる。

能町 レコーダー、流れちゃいますよね。

久保 清水ミチコさんのライブで、毎年必ず山口もえのものまねが出るじゃないですか。「もえはバカじゃないですよ?」ってやつ。「今はどのくらいバカじゃないんだろう?」と思ってたら、正月の『ザ!世界仰天ニュース』に出てたんですよ。京王線でジョーカーのコスプレした刺傷事件ありましたよね? 番組であれの再現VTRをやってて、「事件を起こす前にいろいろ大変なことがあって、あの事件を起こした」みたいな流れだったんですよ。それに対しての山口もえのコメントが、「でもそれってなんの言い訳にもなりませんよね」って。辛辣ぅ〜みたいな。

ヒャダ その通りぃ〜。

久保 「もえはバカじゃないですよ?」の時代から、もう進化してると思って。

能町 全然バカじゃないですね。

久保 ライブでその話をしようと思ったけど、発言の詳細をメモリーできてなくて。

能町 すぐに引き出しから出てこないですよね。正しいフレーズとか、すぐには思い出せない。まあ一言一句すぐ言える人のほうが、珍しいんだと思いますけど。