あやふやな記憶は確認しないと

ヒャダ それと比べると、やっぱりよしまささんのような人間AIはすごい。尊敬します。

久保 でも録画媒体ができて、パソコンもできて、それが気軽に使えるようになったから、データベース人間にとっては最高の時代ですよね。子供の頃からそれができるわけだから。私はビデオ録画をできるようになったのが中学生だったから、中1より前のテレビの記憶は、全部録画なしで覚えてることになる。そう考えると記憶ってすごいよね。

能町 今日、私がよしまささんに「この場面の再現を見たい」といろいろ言ったけど、それも私は本当に一回見ただけなんですよね。なんでそれをずっと覚えてるのか。30代以降に見たテレビはそこまで覚えてない気がします。

(2024年2月4日のこじらせライブより。中央の志村けん似がレッツゴーよしまさ、タモリ似がジョニー志村)

久保 「あやしい記憶を頑張ってもう一回思い出そう」「子供の頃に見たあれを思い出そう」みたいにやるんだけど、調べてもなかなか出てこないことがいっぱいある。

能町 そういうの、ふとしたときに思い出すんですよね。思い出そうとしてもなかなか出てこない。

ヒャダ ある程度、点と点は線につないでおかないと……と思うときはありますね。小さい頃の記憶とか、自分しか覚えてないようなことを……たとえば僕は姉がいるんですけど、姉と答え合わせをして点を線にしたりするんです。自分ひとりしかその記憶を持っていないと、自分が忘れたらそれは歴史の藻屑に消えるわけじゃないですか。

能町 あと、意外と記憶違いもあったりするし。

ヒャダ 記憶の誤認を盲信することがあるじゃないですか。「絶対そうだったのに」って。

能町 ある。絶対と思ってたら、全然違ったりするんだよね。びっくりする。

ヒャダ 僕、ポケモンの番組で夜中の11時くらいまで収録してて、カメラトラブルで全然うまくいかないことがあったんですよ。そのときの収録の内容が「鎖かたびらを着て檻に入ったあばれる君がいて、でっかい風船の中に入った芸人の永野さんがいて、僕と中川翔子ちゃんと夢眠ねむちゃんが檻の後ろからそれを見てる」という、もう白昼夢みたいな……。

能町 嘘みたいな(笑)。

ヒャダ 熱でうなされたときの悪夢みたいな(笑)。「そんな収録あるわけがない」と思ってしまいそうになるので、彼らに会うたびに「あの収録、実際にあったよね?」って確認して。

能町 確認(笑)。

ヒャダ そうしないと、「自分の思い違いだったんじゃないか?」と思ってしまいそうなので。

能町 でもそれは本当にあったんですね。

ヒャダ あったんです。「あったよね?」って指差し確認しないと、僕がまるで尾ひれつけてる感じになるので、記憶の確認は大事です。