福士蒼汰監督『イツキトミワ』
ボーイ・ミーツ・ガールの物語を見事にまとめ上げたのが本作だ。
清水尋也演じる一葵はグループ展に自らの絵を出展する。一葵は建設会社で働きながら、障害のある弟をケアする日々を送り、その傍らで絵を描いている。ある日、彼の絵を見にきた芋生悠扮する三羽と知り合うのだが……。
この短編、福士蒼汰という「爽やかな好青年」的パブリックイメージで触れるとケガをする。前半の淡い恋路は非常にナチュラルに主演2人や小澤征悦や木村了の共演者が演じ、恋愛で生じる多幸感の表現も抑制されている。
一葵と三羽がLINEを交換する際のぎこちなさ、居酒屋での会話のテンポなど、ドキュメンタリーすれすれの流れで切り取り、積み重ねる。