タイを満喫する漫画家の瀧波ユカリさん。(写真提供:瀧波さん)
漫画「バンコク2泊4日の“脱・主婦”体験で新たな扉が開いた!」に、ひょんなことから家族を残し、海外旅行へ出かけることに顛末を書いた瀧波ユカリさん。この旅は、思いがけず「主婦の定年」について考えるきっかけにもなったそうで――(構成=丸山あかね 撮影=本社写真部)

家族それぞれが自立すべき

家事や子育てなど主婦の仕事はたくさんありますが、つねづね余計な夫の世話はやめるべきだと思っています。

世の中には、妻が風邪を引けば自分も具合が悪いと言い出す夫や、主婦の仕事を知ろうともせずに、「お前だってゆっくりすればいいだろ」なんて言う夫がいる。だけど本来、夫婦はフィフティ・フィフティの関係。それこそ「主婦の定年」も、あって然るべきではないでしょうか。

わが家の場合、私はもちろん、夫も私の共同経営者なので定年という概念が身近ではありません。とはいえ、お互い家にいることが多く、ともに過ごす時間が長いので、早い段階から家族それぞれが自立すべきだと感じていました。

結婚当初は、家事一つとっても意見の食い違いから言い争いになることがあって。喧嘩は避けたい、かといって頑張って夫の機嫌をとるのも嫌。いろいろ試した末に辿りついたのが、言いたいことをオブラートで軽く包み、「今から投げるから受けとってね」と予告したうえで伝える方法。これは効果大でした。

夫の自尊心を傷つけることがないし、一拍おくので私も冷静になれます。なんといっても、自分が悪者にならずに済む(笑)。「家庭内定年」を宣言するには、ひと手間かかったとしても、自ら家族を教育するしかないのかもしれません。