あなたはいくつ覚えられる?

では、ここで、次の文を見てください*2。あなたは、いくつ覚えられるでしょうか?

(1)歯の抜けた人がコードを差し込んだ
(2)眠い人が水差しを持っていた
(3)親切な人が牛乳のフタを開けた
(4)やせた人がハサミを買った
(5)力持ちの人がペンキのハケを洗った

この、なんだかわけのわからない文のリストを順番に一回だけ聞かされて、「水差しを持っていたのはどんな人?」と問われたなら、あなたは答えられるでしょうか? おそらく、すでに記憶がこんがらがってしまっていると思います。

それは、「なぜそんなことをしたのか」という理由が理解できていないためです。言い換えれば、それぞれの行動の必然性がよくわからないためです。

では、次のような理由づけをすると、どうでしょう。

(1)歯の抜けた人がコードを差し込んだのはミキサーで食べ物を軟らかくするためだった
(2)(
眠い人が水差しを持っていたのは眠気覚ましのコーヒーをいれるためだった
(3)(
親切な人が牛乳のフタを開けたのはお腹をすかせた子どもにあげるためだった
(4)(
やせた人がハサミを買ったのはズボンのウエストを詰めるためだった
(5)(
力持ちの人がペンキのハケを洗ったのはバーベルにペンキを塗ったからだった

今度は行動の理由がわかり納得できるため、理由がわからないまま覚えるよりも頭に入りやすく、また、思い出しやすくなるのではないでしょうか。

理由がよくわかり、書いてあることの意味が理解・納得できると、格段に頭に入りやすくなります。そして、覚えやすくなります。情報の意味を理解することが記憶の大きな助けになるというメタ認知的知識は小学生にとっても必要です。