思い出そうとする想起努力が記憶の定着に効果を持つ

大学生を対象とした実験で、ヘンリー・レディガーたちは、テキストを読んだ直後にテストを受けたグループと、テストを受けずにテキストをもう一度読んだグループの二日後のテスト成績を比べました。

すると、テストを受けたグループの成績が、テストを受けずにテキストをもう一度読んだグループよりも優れていたのです。一週間後のテスト成績を調べると、さらに両グループの成績の差が開いていました*1。

レディガーたちの実験結果は、覚えた内容を思い出そうとすることが、記憶にとって非常に効果的であるということを示しています。

私たちはテストを受けることによって、覚えた内容を真剣に緊張感を持って思い出そうとするわけですが、この時の、思い出そうとする想起努力が、ただ漫然とテキストを読み直すよりも記憶の定着に効果を持つということです。