「テストがある」と予期することでも記憶成績は上がる

さらには、テストを実際に受けるかどうかは別にしても、「テストがある」と予期することによっても、記憶成績が上がるという効果があり、こちらはテスト期待効果と呼ばれています*2。

記憶する際にテストを意識することが緊張感にもつながり、効果をもたらすのでしょう。

強制的に受けさせられるテストや成績評価のために行われるテストは、誰にとっても嫌なものかもしれません。しかしながら、自らが主体的に、このテスト効果を活用してみるのは、とてもよい方法です。

テストを受ける時に、あるいはテストに備えて、繰り返し思い出すことが役立ちます。

こうしたことをメタ認知した上で、自分でテスト問題を作成したり、仲間とともに問題を出し合ったりすることは、お勧めできる方法です。

自分でテスト問題を作成したり、仲間とともに問題を出し合ったりしてテスト効果を活用してみるのは、とてもよい方法(写真提供:写真AC)

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*1. Roediger III, H. L., & Karpicke, J. D. (2006) The Power of testing memory:Basic research and implications for educational practice. Perspectives on Psychological Science, 1, 3, 181-210.

*2. Szpunar, K. K., McDermott, K. B., & Roediger III, H. L. (2007) Expectation of a final cumulative test enhances long-term retention. Memory & Cognition,35, 5, 1007-1013.

※本稿は、『メタ認知』(中公新書ラクレ)の一部を再編集したものです。

メタ認知-あなたの頭はもっとよくなる』(著:三宮真智子/中公新書ラクレ)

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