さらに、アジア獣医皮膚科専門医の伊從慶太さんによる基調講演では、「犬アトピー皮膚炎(CAD)に対するファインバブル洗浄の有用性」に関するエビデンスが発表された。

「現在、犬の肌の衛生状態を保つために重要視されている、抗菌薬入りシャンプーは、肌のバリア機能を損傷・耐性菌を生じさせる可能性がある」と従来の対処法の懸念点を提示。

2023年3月に行った実証試験で、アトピー性皮膚炎の症状のある犬17例に対し、低刺激シャンプーによる洗浄群と、ファインバブルシャワーによる洗浄群を分けて実施。症状改善の程度を比較検証した結果、「ファインバブル発生機能を搭載したシャワーを用いた洗浄では、かゆみや肌荒れを抑えながら、皮膚のバリア機能を壊すことなく、アトピー性皮膚炎の症状を改善した」、とその検証結果を語った。


基調講演終了後のパネルディスカッションでは、東京女子医科大学名誉教授 川島眞さんが加わり、犬とヒトにおける〈スキンケア〉の重要性や、ファインバブルの有用性について議論が行われた。

川島さんと江角さんは、犬とヒトのアトピー性皮膚炎が起こる要因や治療法の類似点を示し、「過剰な洗浄は炎症を悪化させることになる」と過剰な洗浄への注意を促した。

また、伊從さんは、ファインバブルの「優しく効率的に洗える」というメリットに言及。「今後ファインバブルが動物病院を中心に広く普及することで、犬のアトピーを始め、それ以外の皮膚疾患におけるファインバブルの活用法が議論される未来に期待したい」と熱い想いを語った。