庭先に眼をやると、笑うように私を見るはなの姿が見え、声も聞こえる――(写真はイメージ。写真提供:photoAC)
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思わぬペットロス

子どもの頃、動物を飼ってみたかったが、アパート暮らしで叶わなかった。そんな私が結婚した相手は、持ち家で子どもの頃から猫や犬を飼っていた人。

娘が中学1年の冬、「近所に子犬が何匹も生まれて、あげると言われた。もらってきてもいい?」と聞かれた。きちんと世話をすること、雄犬ならと許可をしたが、翌日連れてきたのは、茶色の雌犬。もらってしまったものは仕方がないので、「はな」と名づけ、わが家での暮らしが始まった。

夫は、久しぶりの飼い犬に手製の犬小屋を作り、雨の日でも欠かさずに散歩に行った。餌の用意は私。娘は、気が向いた時だけおやつをあげたり散歩をしたりと、見事に約束を反故にした。はなはお手とお座りぐらいしかできないが、紛れもなく家族の一員である。

そんなはなが旅立ったのは2022年の11月25日。18歳を超えて、ダメかなと思うことも何度もあったが、最期は眠るように逝った。覚悟はしていたものの、思っていたよりもつらい。庭先に眼をやると、笑うように私を見るはなの姿が見え、声も聞こえる。もういないことを確認するたびに気落ちして、涙が出る。

月命日には家族同様にお線香をあげて冥福を祈る。ちなみに散歩の仕事がなくなった夫は、暇をもてあまして家族から嫌がられている。


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