刊行のキッカケは「石ブーム」!?

――刊行のキッカケを教えていただけますか?

そもそも昭和40年前後、日本全土で「石ブーム」が起きまして。当時、河原や山へ、たくさんの人が石を探しに殺到しました。

ブームが起きたら、それを扱う雑誌も…ということで、いくつかの関連雑誌が誕生。

やや後発ながら、創刊されたうちの一冊が、愛石家だった前編集長・森さんが立ち上げた『愛石の友』でした。

創刊号。「愛石健康法」というナゾ企画も…(写真:『婦人公論.jp』編集部)

 

私自身は編集長を引き継ぐまで、石に興味がありませんでしたし、そのときのブームについてはよく知らないのですが。

――石が日本中でブームに。いったいなぜ当時、流行したのでしょうか? 40年代といえば安保闘争とか学園紛争やらが活発でしたし、やはり哲学的なものでしょうか…

まったくそうではなく、ズバリ「お金」。(笑)

当時、三越で初めて「石の全国展」といったものが開催されて、石を売り買いする場が存在していることが広く認知された。それと同時に『週刊朝日』で「河原に行けば宝物がある」という特集が掲載されて、とても話題になったんですね。

それから石を販売するコーナーが全国のデパートにできるようになり、みんな「一攫千金」を目指して、我も我もと河原に押しかけた。創刊した当時の『愛石の友』も3、4千部あったそうです。